メインコンテンツにスキップ
介護ようひんさーち
介護ベッドを置く部屋の広さは?寝室9㎡の目安と配置・動線の確認ポイントを表すイラスト住環境

介護ベッドを置く部屋の広さは?寝室9㎡の目安と配置・動線の確認ポイント

Published
作成日: 2026年7月9日
Updated
最終更新日: 2026年10月13日

結論、国土交通省の指針では高齢者の寝室は内法9㎡以上(推奨12㎡以上)が目安です。ベッド本体の寸法に加え、介助・移乗の側を空ける配置、トイレとの位置関係、部屋が狭いときの考え方と測り方を整理します。

01介護ベッドを置く部屋は、どのくらいの広さが必要?

国土交通省の「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」では、高齢者の寝室の広さを内法(壁の内側)で9㎡以上、推奨レベルで12㎡以上としています。

この指針は、介助用車いすを使う人が就寝や排泄などの生活行為をしやすい住まいを想定した、住宅の設計上の目安です。介護保険で介護ベッド(特殊寝台)を借りるための条件ではありませんが、「この部屋で足りるか」を考える手がかりになります。

  • 基本レベル:特定寝室(高齢者が主に使う寝室)の面積が内法寸法で9㎡以上
  • 推奨レベル:特定寝室の面積が内法寸法で12㎡以上

9㎡に届かない部屋では置けない、という意味ではありません。実際に必要な広さは、ベッドの機種、車いすを使うかどうか、介助者が何人で動くかで変わります。この記事では、部屋の広さに加えて、ベッドの周りのどこを空けるか、部屋をどう測って伝えるかを順に整理します。ベッド本体の選び方は特殊寝台(介護ベッド)をレンタルするときの確認ポイントで確認できます。

この記事の内容は2026年10月時点の指針・制度にもとづいています。

02ベッドの周りには、どこにスペースを空ける?

介護ベッド周りに必要なスペースを示す図。片側は壁付け、反対側は介助や移乗のためのスペースを確保するという基本的な配置の考え方を整理

ベッドの片側を壁に付け、もう片側を起き上がり・介助・車いすへの移乗に使う側として空けるのが基本の考え方です。

ベッドの周りでは、起き上がる、立ち上がる、車いすに移る、介助者がおむつ交換や体位の変換をする、といった動作が起きます。空ける側は、本人が起き上がりやすい側(片麻痺がある場合は動かしやすい側)に合わせて決めます。

介助する側

介助者がベッドの横に立ち、前かがみにならずに手を添えられる幅が要ります。ベッドの高さ調整機能を使うと、介助者の腰の位置に合わせて作業できます。

車いすに移る側

ベッドに車いすを近づけ、ブレーキをかけた状態で移れる位置と角度を確かめます。ベッドの高さを車いすの座面に合わせると、移乗の段差を小さくできます。

付属品の置き場所

サイドレール(柵)、ベッド用手すり、ベッド用テーブルなど、付属品を付けたときにどちら側に出っ張るかも配置に関わります。柵や手すりの選び方はベッド柵・サイドレールの確認ポイントにまとめています。

必要な幅は、本人の体格や介助の方法で変わるため、福祉用具専門相談員に実際の動作を見てもらって決めるのが確実です。

03部屋の広さは、どう測って伝える?

部屋の内法の縦・横、出入口の幅、コンセントと窓の位置を測り、ベッドの外寸は事業所の仕様書で確認します。

相談の前に次の項目を控えておくと、専門相談員が配置案を考えやすくなります。部屋の写真を数枚撮っておくのも役立ちます。

  • 部屋の内法の縦・横(壁から壁まで。柱や出窓の出っ張りも書き込む)
  • 出入口の幅と、扉が開く向き(内開き・外開き・引き戸)
  • コンセントの位置(電動ベッドは電源が必要)
  • 窓、エアコン、クローゼットの扉など、ベッドで塞ぎたくない場所
  • 動かせない家具と、移動・処分できる家具

介護ベッドの幅や長さは機種によって違います。候補の機種が決まったら、事業所の仕様書や、公益財団法人テクノエイド協会の福祉用具情報システム(TAIS)で外寸を確認し、部屋の図に書き込んでみてください。

介護ベッドは大きく重い用具なので、玄関や廊下、階段が狭いと搬入経路が問題になることがあります。搬入前の確認は福祉用具の搬入前に玄関で確認することで整理しています。

04どの部屋に置くかは、何で決める?

トイレまでの距離と階、部屋ごとの温度差、家族の気配の届きやすさの3つから考えます。

トイレと同じ階にあるか

国土交通省の指針は、基本レベルとして「便所が特定寝室の存する階にあること」を挙げています。夜間にトイレへ行く回数が多い方は、寝室からトイレまでの距離と、途中の段差・暗い場所も確かめます。距離が長い場合は、ポータブルトイレを寝室に置く方法もあります(ポータブルトイレを選ぶときの確認ポイント)。

部屋ごとの温度差

同じ指針は、居室・便所・脱衣室・浴室などの寒暖差による事故を防げるよう、暖冷房設備を使える構造にすることを求めています。北向きで冬に冷える部屋、西日で夏に暑くなる部屋は、エアコンの有無や設置できるかを先に確認します。

家族の気配が届くか

リビングに隣接した部屋は様子に気づきやすい一方、来客時や夜間の生活音に配慮が要ります。個室はプライバシーを保ちやすい反面、呼んだときに声が届くかを確かめておきます。どちらを選ぶかは、本人の希望を聞いたうえで家族と決めます。

05車いすや歩行器と一緒に使うときは、何を確かめる?

ベッドから部屋の出口、トイレまでの通り道に、車いすや歩行器が通れる幅があるかを確かめます。

ベッドの周りのスペースだけを見て配置を決めると、部屋の出口までの通路が家具で狭くなることがあります。国土交通省の指針では、日常生活空間の通路の有効幅員を基本レベルで780mm(柱などの箇所は750mm)以上、出入口の幅員を750mm以上としています。廊下幅・ドア幅の測り方は車いすで暮らす住まいの廊下幅・ドア幅で詳しく整理しています。

歩行器でベッドから立ち上がる場合は、立ち上がったときに歩行器を置ける場所と、向きを変えるための空間が要ります。ベッドから立ち上がる動作を支える用具は立ち上がり補助用具の選び方も参考になります。

使う予定の用具をすべて専門相談員に伝えると、ベッド・車いす・歩行器が干渉しない配置をまとめて検討できます。

06部屋が狭いときは、どうする?

家具の移動とベッドの向きの見直しを先に試し、それでも足りないときは幅の狭い機種の長所と短所を専門相談員と比べます。

まず、ベッドの頭の向き、壁に付ける側、タンスや机の位置を入れ替えて、介助側と通路が取れるかを図の上で確かめます。使っていない家具を別の部屋に移すだけで、介助側が取れる場合もあります。

幅の狭い介護ベッドを選ぶ方法もありますが、テクノエイド協会のヒヤリハット事例では、介護用のベッドは一般のベッドより幅が狭く、寝返りの介助の前に寝る位置をずらすなどの手間がかかること、部屋が狭いなどの理由で幅の狭いベッドを選ぶときはその短所も理解して選ぶことが解説されています。幅だけで決めず、寝返りの介助のしやすさとあわせて検討してください。

ほかの用具も含めた狭い住まいでの工夫は狭い住まいで福祉用具を選ぶポイントで整理しています。

07置いたあとは、安全のために何を確認する?

電源コードの取り回し、キャスターのロック、夜間の足元の明るさ、柵とマットレスのすき間を、納品の日と使い始めの数日で確かめます。

  • 電源コード:ベッドの下や脚の近くを通して、昇降のときに挟まったり、足を引っかけたりしないか
  • キャスター:使っているときにロックがかかっているか
  • 夜間の照明:起き上がって足を下ろす位置と、トイレまでの通り道が見えるか
  • 柵とマットレスのすき間:手足や頭が入り込むすき間がないか。厚みの違うマットレスに替えたときは改めて確認する

納品の日に確かめることは福祉用具の納品・設置日に確認することにまとめています。使い始めてから気になる点が出たら、次のモニタリングを待たずに事業所へ連絡してください。

08介護ベッドは介護保険で借りられる?

要介護2以上の方は、原則として介護保険の福祉用具貸与で介護ベッド(特殊寝台)を借りられます。要支援1・2と要介護1の方は原則対象外で、例外給付の手続きが必要です。

確認の進め方

  1. ケアマネジャーに、寝室での困りごとと、置く予定の部屋を伝える
  2. 福祉用具専門相談員に自宅を見てもらい、機種と配置を検討する
  3. ケアプランに位置づけたうえで、貸与または例外給付の手続きを進める

費用の仕組み

月々のレンタル料に対して、所得に応じた1〜3割を負担します。金額は機種や付属品の組み合わせで変わるため、事業所の見積もりで確認してください。

要支援・要介護1の方の例外給付の考え方は要支援・要介護1で使える福祉用具と原則対象外の品目で整理しています。ベッドは家にあり、柵やマットレスだけを用意したい場合の扱いは、自分で用意した介護ベッドに付属品だけを借りるときの条件をご覧ください。

09まとめ——部屋の広さ・空ける側・通り道の順に確かめる

介護ベッドを置く部屋を考えるときのポイントを整理します。

  • 国土交通省の指針では、高齢者の寝室は内法9㎡以上、推奨レベルで12㎡以上が目安
  • ベッドは片側を壁に付け、もう片側を起き上がり・介助・移乗の側として空ける
  • 部屋の内法、出入口の幅、コンセントの位置を測り、ベッドの外寸は仕様書で確認する
  • トイレと同じ階か、部屋の温度差、家族の気配の届きやすさから部屋を選ぶ
  • 部屋が狭いときは家具と向きの見直しを先に。幅の狭い機種は寝返り介助の手間も比べる

まずは置く予定の部屋の縦・横とコンセントの位置を測り、写真と一緒にケアマネジャーや専門相談員に見せてください。介護ベッドを取り扱う事業所は、介護ようひんさーちで住所を入れると、自宅が営業エリアに入る事業所に絞り込んで探せます。

FAQ

このガイドのよくある質問

国土交通省の「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」では、高齢者の寝室の面積を内法寸法で9㎡以上、推奨レベルで12㎡以上としています。介護保険で借りるための条件ではなく住宅設計の目安なので、実際に必要な広さはベッドの機種や車いすの使用、介助の方法を踏まえて福祉用具専門相談員と確認してください。
ベッド本体の外寸に加えて、起き上がり・介助・車いすへの移乗に使う側のスペースが必要です。片側を壁に付け、反対側を空ける配置が基本です。必要な幅は本人の体格や介助の方法で変わるため、部屋の寸法と写真を福祉用具専門相談員に伝えて相談してください。
リビングに隣接した部屋は家族が様子に気づきやすい一方、来客時や夜間の生活音への配慮が必要です。個室はプライバシーを保ちやすい反面、呼んだときに声が届くかを確かめておく必要があります。トイレとの距離や部屋の温度差もあわせて、本人の希望を聞いたうえで家族で決めてください。
ベッドに車いすを近づけ、ブレーキをかけて移れる位置と角度を確保します。ベッドの高さを車いすの座面に合わせると移乗の段差を小さくできます。あわせて、部屋の出口やトイレまでの通路に車いすが通れる幅があるかも確認してください。
変更できます。身体状況や暮らし方が変わったときは、事業所に相談して配置や機種を見直します。ベッドの向きや周りの家具の位置を変えるだけで動きやすくなることもあるため、使いにくさを感じたら次のモニタリングを待たずに相談してください。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

Related

あわせて読みたいガイド

品目別の選び方

特殊寝台(介護ベッド)をレンタルするときの確認ポイント

介護ベッド(特殊寝台)をレンタルするときの確認ポイントを解説。借りられる条件、本体と付属品の組み合わせ、置き場所と搬入の確認、挟み込みを防ぐ安全な使い方、事業所への聞き方まで整理したガイドです。

品目別の選び方

介護ベッド用マットレスの選び方——寝心地と床ずれ予防の両立

介護ベッド用マットレスの選び方を解説。特殊寝台付属品としての位置づけ、硬さと体圧分散のバランス、床ずれ防止用具との違いと使い分け、サイズ・厚みの確認、試用のコツまで整理したガイドです。

住環境

車いすで暮らす住まいの廊下幅・ドア幅は何cm必要?測り方と動線確認のポイント

車いすで暮らす住まいの通路は、国の設計指針で有効幅780mm以上(推奨850mm以上)、出入口は750mm以上(推奨800mm以上)が目安です。扉の厚みを差し引く測り方、向きを変える広さ、住宅改修との使い分けを整理します。

住環境

浴室で福祉用具を使うときの確認ポイント——複数の用具を組み合わせる視点

浴室で複数の福祉用具を組み合わせて使うときの確認ポイントを解説。シャワーチェア・バスボード・浴槽用リフト・手すりの配置バランス、浴室のスペース確認、入浴の一連の動作から考える組み合わせ方まで整理したガイドです。

SEARCH & COMPARE

ガイドの内容をもとに、確認事項を整理できます

利用したい地域、用具、レンタル・購入の希望を整理して、掲載事業所を探せます。

事業所を探す掲載情報・問い合わせ方法を確認