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福祉用具レンタル・購入を利用するまでの流れ——相談から納品後のフォローまで

Published
作成日: 2026年6月28日
Updated
最終更新日: 2026年7月9日

福祉用具のレンタル・購入を使い始めるまでの流れを6ステップで解説。要介護認定前の動き方、ケアマネジャーへの相談、事業所選び、納品時の確認、利用開始後のモニタリングまで、順番に整理したガイドです。

01まず全体の流れをイメージする——6つのステップ

福祉用具を介護保険で使い始めるまでの道のりは、おおまかに次の6ステップです。

  1. 要介護・要支援認定を受ける(すでに認定済みの方はステップ2から)
  2. ケアマネジャーに相談する(いない場合は地域包括支援センターへ)
  3. ケアプランに福祉用具を位置づける
  4. 事業所を選び、福祉用具専門相談員が品目・商品を選定する
  5. 納品・調整・契約
  6. 利用開始とその後のフォロー(モニタリング)

福祉用具を利用するまでの6ステップの流れ図。要介護認定、ケアマネジャーへの相談、ケアプランへの位置づけ、事業所選びと商品選定、納品調整契約、利用開始後のモニタリングの順に進む

大切なのは、順番を飛ばさないことです。特に多い失敗が、ステップ2〜3を飛ばして先に用具を契約・購入してしまうケースで、この場合、介護保険の給付が受けられないことがあります。「まず相談、それから契約」が鉄則です。

所要期間は、認定済みでケアマネジャーがいる方なら、相談から納品まで比較的短期間で進むことが多い一方、認定からスタートする場合は認定結果が出るまでの期間が加わります。退院にあわせたいなど期限がある場合の進め方は、最後の節で説明します。まずは各ステップで「誰に・何を・どう伝えるか」を順番に見ていきましょう。

また、この流れは「一度きり」ではありません。体の状態や暮らしが変われば、ステップ2に戻って相談し、用具を見直すことができます。最初から完璧な選択を目指すより、「まず相談して、使いながら調整していく」くらいの気持ちで進めるほうが、結果的にうまくいきます。

02ステップ1:要介護認定をまだ受けていない場合

介護保険で福祉用具を使うには、要介護・要支援認定を受けていることが前提です。まだ受けていない場合は、ここからスタートします。

申請の窓口は、お住まいの市区町村の介護保険担当課です。地域包括支援センターでも申請の相談・代行支援を受けられます。本人や家族が申請でき、申請後は認定調査員による聞き取り調査(心身の状況について)と、主治医の意見書をもとに審査が行われ、要支援1・2、要介護1〜5などの区分が決まります。

認定結果が出るまでには一定の期間がかかります。目安の期間や現在の混み具合は、申請時に市区町村へ確認しておきましょう。「結果が出るまで何もできないの?」という不安には、次の2つを知っておくと役立ちます。

  • 申請中でも相談は進められる:地域包括支援センターやケアマネジャーへの相談、事業所の情報収集は認定を待たずにできます。
  • 暫定的な利用の仕組み:認定結果を待たずにサービスの利用を始める暫定ケアプランという方法が使える場合があります。ただし、想定した認定区分と結果が違った場合の費用の扱いなどに注意点があるため、必ずケアマネジャーや市区町村と相談しながら進めてください。

「まだ認定を受けるほどではないかも」と迷う段階でも、地域包括支援センターに相談すれば、認定申請を含めた選択肢を一緒に整理してもらえます。ひとりで判断せず、まず窓口に相談することをおすすめします。

認定調査の際は、普段の様子を正直に伝えることが大切です。調査のときだけ頑張ってしまうと、実態より軽く判定されることがあります。家族が同席し、日頃の困りごとを補足するとよいでしょう。

03ステップ2:ケアマネジャーへの相談——困りごとを具体的に伝える

認定を受けたら(または認定済みなら)、担当のケアマネジャーに相談します。要支援の方は地域包括支援センターが、要介護の方は居宅介護支援事業所のケアマネジャーが窓口になるのが基本です。まだ担当が決まっていない場合は、地域包括支援センターに相談すれば紹介を受けられます。

相談で大切なのは、品目名ではなく困りごとを具体的に伝えることです。

  • 「ベッドから起き上がるのに5分かかるようになった」
  • 「浴槽をまたぐときに何度かバランスを崩した」
  • 「夜中にトイレへ行くとき、廊下で転びそうになる」

このように「いつ・どこで・どの動作が・どのくらい」困っているかを伝えると、ケアマネジャーは福祉用具だけでなく、住宅改修や他のサービスも含めた最適な組み合わせを検討できます。

あわせて、この段階で確認しておきたいことが3つあります。(1)検討している品目が貸与・販売・選択制のどれに当たるか、(2)自分の要介護度で対象になるか(軽度の場合は原則対象外の品目と例外給付の可能性)、(3)区分支給限度額の枠にどのくらい余裕があるか、です。

家族が代理で相談する場合は、本人の様子を動画やメモで残しておくと、状況が正確に伝わります。本人が「大丈夫」と言っていても、家族から見て危ない場面があれば、それも率直に共有しましょう。

なお、相談は無料です。「こんな小さなことで相談していいのか」とためらう必要はありません。困りごとが小さいうちに相談するほど、選択肢は多くなります。

04ステップ3:ケアプランへの位置づけ——なぜ必要なのか

相談の結果、福祉用具が必要と判断されると、ケアマネジャーがケアプラン(居宅サービス計画・介護予防サービス計画)に福祉用具を位置づけます。「なぜこの用具が必要か」「どんな生活の目標のために使うのか」が計画として明文化されるステップです。

手続きとしてはケアマネジャーが進めてくれるため、利用者側がやることは多くありませんが、このステップの意味を知っておくと納得感が違います。介護保険の福祉用具は「欲しいから借りる」のではなく、生活課題を解決する手段としてプランに組み込まれることで保険給付の対象になります。だからこそ、ステップ2で困りごとを具体的に伝えることが効いてきます。

軽度者(要支援1・2、要介護1)の方が原則対象外の品目(特殊寝台や車いすなど)を使いたい場合は、このステップで例外給付の検討・手続きが関わってきます。医師の意見や市区町村の確認が必要になることがあり、通常より時間がかかる場合があるため、早めにケアマネジャーへ相談しておきましょう。

また、ケアプランの内容は利用者・家族に説明され、同意のうえで確定します。わからない点があれば、この段階で遠慮なく質問してください。「この用具は何のために入っているのか」「他の選択肢はなかったのか」といった質問は、プランへの理解を深めるうえで自然なものです。

ケアプランの内容に納得できない場合や、生活の変化でプランが実態に合わなくなった場合は、見直しを依頼できます。プランは一度作ったら終わりではなく、暮らしに合わせて育てていくものです。

05ステップ4:事業所選びと商品の選定・見積もり

ケアプランの方向性が決まったら、福祉用具を提供する事業所を選びます。貸与なら福祉用具貸与の指定、購入なら特定福祉用具販売の指定を受けた事業所が対象です。ケアマネジャーから紹介を受けることも多いですが、利用者側から事業所を指定することもできます。営業エリア・取扱い品目・対応の質を見て、納得できる事業所を選びましょう。

事業所が決まると、福祉用具専門相談員が心身の状況・住環境・生活動線をふまえて品目と商品を選定し、福祉用具サービス計画(利用計画)を作成します。このとき、機能や価格帯の異なる複数の商品の提示を受けられます。貸与では、商品ごとの全国平均貸与価格と事業所の価格の説明もあわせて行われます。

見積もり・選定の場で確認したいポイントは次のとおりです。

  • 提示された商品それぞれの違い(機能・サイズ・価格帯)
  • 自宅で試用(デモ)できるか
  • 納品までの日数
  • 搬入・設置・調整にかかる費用の有無
  • 月途中で開始・返却した場合の計算方法(貸与)

自宅での試用ができる場合は、実際に使う場面(ベッドからの立ち上がり、廊下の幅、浴室の出入りなど)で試すことが失敗を防ぐ最大のポイントです。カタログ上のスペックと、実際の使い勝手は別物だと考えてください。

事業所とのやり取りで対応に不安を感じた場合(説明が急ぎ足、質問への回答が曖昧など)は、契約前であれば事業所の変更もできます。ケアマネジャーに率直に相談してください。

06ステップ5:納品・調整・契約——当日に確認すること

商品が決まったら、自宅への納品です。納品当日は、福祉用具専門相談員が用具を設置し、体に合わせた調整(ベッドの高さ、手すりの位置、車いすのフットサポートなど)と使い方の説明を行います。あわせて貸与契約(購入の場合は売買契約)を結び、利用開始となります。

納品当日のチェックリストです。

  • 実際の動作で試す:説明を聞くだけでなく、本人がその場で使ってみる(立ち上がる、座る、またぐ、ブレーキをかける)
  • 介助する家族も操作を確認:ベッドの背上げ操作、車いすのたたみ方、ブレーキなど
  • 危険な使い方・してはいけないことを聞く:「これだけはやらないで」という注意点を確認
  • 連絡先の確認:不具合・調整依頼・夜間や休日の緊急連絡先
  • 契約内容の確認:月額(または購入額)、支払い方法、解約・返却の手順

少しでも「合っていない気がする」と感じたら、その場で伝えてください。納品時の調整で解決することも多く、場合によっては機種変更の相談もできます。遠慮して黙っているのがいちばんもったいないパターンです。

また、契約書や重要事項説明書は保管しておきましょう。購入の場合は、保険給付の申請に領収書が必要になるため、書類一式をまとめて保管しておくと手続きがスムーズです。

納品後、数日使ってみて気づくこともあります。「初日は良かったが、夜間の使い勝手が悪い」といった気づきはメモしておき、早めに事業所へ伝えましょう。

07ステップ6:利用開始後——モニタリング・交換・返却

福祉用具は「使い始めてから」が本番です。貸与では、福祉用具専門相談員によるモニタリング(使用状況の確認)が仕組みに組み込まれており、実施時期は福祉用具サービス計画に記載されます。用具の状態、体との適合、使い方に問題がないかを定期的に確認してもらえます。

モニタリングを待たずに連絡してよいのは、たとえば次のような場面です。

  • 体の状態が変わった(回復した・弱ってきた・入退院があった)
  • 用具の不具合(がたつき、異音、ブレーキの効きが悪いなど)
  • 住環境が変わった(引っ越し、部屋の模様替え、同居家族の変化)

貸与の強みは、こうした変化に交換・調整で対応できることです。「まだ使えるから」と合わない用具を我慢して使い続けると、転倒などのリスクにつながります。気づいたら早めに、事業所かケアマネジャーへ連絡しましょう。

利用をやめるとき(回復した、入院・入所する、など)は、事業所に連絡して返却の手続きをします。返却月の費用の計算方法は契約時の説明を確認してください。購入した用具については返却の仕組みはありませんが、使い方の質問や修理の相談は購入した事業所にできることが多いので、連絡先は残しておきましょう。

なお、入院中や施設入所中は、在宅向けの福祉用具貸与が使えない場合があります。長期の入院が決まったときは、いったん返却するかどうかも含めてケアマネジャーに相談してください。

また、モニタリングの機会は「聞きたいことをまとめて聞ける時間」でもあります。使い方の再確認、他の用具の相談、最近の体調の変化など、日頃の小さな疑問をメモしておいて、訪問時にまとめて質問するのがおすすめです。

08購入の場合の違いと、退院などで急ぐときの進め方

ここまで主に貸与の流れで説明してきましたが、購入(特定福祉用具販売)の場合は、ステップ4〜5の間に手続きの確認が加わります。具体的には、(1)指定事業所からの購入であること、(2)市区町村によっては購入前の事前申請が必要なこと、(3)支払い後に領収書を添えて支給申請をすること(償還払いの場合)、の3点です。「先に買ってしまう」失敗を防ぐため、購入前に必ず事業所か市区町村へ手続きの順番を確認してください。

退院にあわせて急ぐ場合は、次の進め方が有効です。

  1. 入院中から動き始める:病院の相談員(医療ソーシャルワーカー)に「退院後の生活で福祉用具が必要になりそう」と伝えると、ケアマネジャーや地域包括支援センターとの連携が始まります。
  2. 退院前カンファレンスを活用する:病院・ケアマネジャー・事業所が退院前に情報共有し、自宅の環境に合わせた用具を退院日までに準備できるよう調整します。
  3. 納品日を退院日に合わせる:ベッドなど大型の用具は、退院当日に自宅で使えるよう納品日を調整してもらいましょう。

認定申請がまだの場合も、入院中に申請を進められます。病院の相談員に「介護保険の申請はどう進めればよいですか」と聞くところから始めてください。

流れの全体像がつかめたら、次は相談先探しです。介護ようひんさーちでは、住所・品目・指定の有無から地域の事業所を検索できます。ケアマネジャーと相談しながら、納得できる相談先を見つけてください。

FAQ

このガイドのよくある質問

担当のケアマネジャーがいる方はケアマネジャーに、いない方はお住まいの地域包括支援センターに相談してください。要介護認定をまだ受けていない場合は、市区町村への認定申請から始まります。いきなり事業所と契約したり商品を購入したりすると保険給付を受けられないことがあるため、「まず相談、それから契約」の順番を守ることが大切です。
認定済みでケアマネジャーがいる場合は、相談から選定・見積もり・納品まで比較的短期間で進むことが多いですが、商品の在庫状況や例外給付の手続きの有無などによって変わります。要介護認定から始める場合は、認定結果が出るまでの期間が加わります。退院に合わせるなど期限がある場合は、その旨を最初に伝えて納品日を調整してもらいましょう。
利用者側から事業所を選ぶ・指定することができます。ケアマネジャーからの紹介は有力な候補ですが、営業エリア・取扱い品目・対応の質を見て、納得できる事業所を選んで構いません。気になる事業所があれば「この事業所に相談したい」とケアマネジャーに伝えれば調整してもらえます。複数の事業所を比較することも可能です。
我慢は禁物です。合わない用具を使い続けると転倒などのリスクにつながります。貸与であれば、調整や機種変更を事業所の福祉用具専門相談員に相談できます。納品直後でも、使っているうちに合わなくなった場合でも、気づいた時点で事業所かケアマネジャーに連絡してください。状態の変化に合わせて交換しやすいことが貸与の利点です。
進められます。退院後に福祉用具が必要になりそうな場合は、入院中から病院の相談員(医療ソーシャルワーカー)に伝えると、ケアマネジャーや事業所との連携が始まり、退院日に合わせた納品の調整もできます。要介護認定の申請も入院中に進められることが多いので、早めに相談することをおすすめします。ただし、入院中の院内では在宅向けの貸与は利用できない場合があります。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

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