手すり・スロープ・歩行器(と歩行補助つえ)は、福祉用具貸与の13種目の中でも特別な位置づけの品目です。車いすや介護ベッドが要支援1・2、要介護1の方は原則対象外なのに対して、この3品目(+杖)は要支援1から誰でも介護保険で利用できます。
なぜこの品目だけ軽度から使えるのか。それは、これらが転倒を防ぐための用具だからです。要支援〜要介護1の段階は、まだ自分で動ける力が残っている時期です。この時期の転倒・骨折は、入院や活動量の低下を通じて、状態を一気に悪化させるきっかけになりがちです。だからこそ、動ける力があるうちに住環境を整えることに、制度上も大きな意味が認められています。
「まだ介護用品を使うほどでは」と感じる方にこそ、知っておいてほしい事実があります。福祉用具は弱った人のための道具ではなく、いまの力を長く保つための道具でもあるということです。ふらつきや段差のつまずきが増えてきた段階で環境を整えることは、「老い込む」ことではなく、行動範囲と自立を守る前向きな選択です。
この記事では、手すり・スロープ・歩行器それぞれの種類と使いどころ、困りごとから品目を考える方法、2024年から始まった選択制との関係、住宅改修との使い分けまでを整理します。
なお、3品目とも2024年度改定時点の制度にもとづく整理です。制度の詳細は改定で変わることがあるため、最新の内容は厚生労働省や市区町村の公式情報、ケアマネジャーへの確認をおすすめします。

