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介護ようひんさーち
品目別の選び方

退院前に準備する福祉用具の確認ポイント

Published
作成日: 2026年7月7日
Updated
最終更新日: 2026年7月9日

退院に合わせて福祉用具を準備する際の確認ポイントを丁寧に解説します。退院前カンファレンスの活用法や自宅の環境確認、優先して準備すべき用具、退院後の見直し方まで詳しく整理したガイドです。

01退院前の準備は「早め」がカギになる

退院日が決まってから福祉用具を準備しようとすると、時間が足りず、十分な検討ができないまま自宅に戻ることになりがちです。福祉用具貸与や特定福祉用具販売は、ケアプランへの位置づけや自宅の採寸、事業所との調整に一定の日数がかかるため、できるだけ早い段階から準備を始めることが大切です。

この記事では、退院前に福祉用具をどのように準備すればよいか、そのポイントを整理します。退院後の住まいの状況に応じた確認については、狭い住まいで福祉用具を選ぶポイントの記事もあわせてご覧ください。

退院前の準備で特に重要なのは、病院側の医療スタッフと、在宅側のケアマネジャー・福祉用具専門相談員との連携です。この記事では、その連携をどう進めればよいかも含めて解説します。

この記事の内容は2026年7月時点の制度にもとづいています。制度は今後も見直される可能性があるため、最新情報は厚生労働省の公式情報でも確認してください。

入院期間が短い場合、退院までに準備できる時間はさらに限られます。まずは病院のソーシャルワーカーや退院支援担当者に、退院支援に関わる制度や手続きについて確認し、そこからケアマネジャーへの相談につなげる流れを意識しておくとよいでしょう。

退院支援の窓口は病院によって呼び方が異なりますが、多くの場合「地域連携室」や「医療福祉相談室」といった部署が担っています。まずはそうした部署に相談することから始めてみてください。

退院支援のタイミングは病状によって異なりますが、疑問があれば早めに尋ねてみましょう。

02退院前カンファレンスを活用する

退院前カンファレンスとは

多くの病院では、退院前に医師、看護師、リハビリスタッフ、そして在宅側のケアマネジャーが参加する退院前カンファレンス(退院時カンファレンス)を開催します。この場で、自宅での生活に必要な福祉用具についても話し合われます。

参加できる場合は積極的に参加を

家族が参加できる場合は、実際の自宅の間取りや生活状況を直接伝えられる貴重な機会になります。参加が難しい場合も、事前にケアマネジャーへ自宅の状況を詳しく伝えておきましょう。

入院中のリハビリ状況を確認する

リハビリスタッフから、退院時点でどの程度の動作が可能か、どのような介助が必要かを具体的に聞いておくことで、必要な福祉用具の見当がつけやすくなります。

このタイミングでの情報共有が、退院後のスムーズな生活立ち上げにつながります。

医療系の福祉用具についても確認する

酸素療法や胃ろうなど、医療的なケアが必要な場合、それに対応した特殊寝台や関連用具が必要になることもあります。退院前カンファレンスでは、こうした医療面の要件も含めて確認しておきましょう。

カンファレンスで聞いておきたい質問リスト

「自宅でどの動作が特に不安なのか」「今後、状態が改善する見込みはあるか」「再入院のリスクが高い場面はあるか」など、具体的な質問をあらかじめ用意しておくと、限られた時間の中でも必要な情報を効率よく得られます。

無理に一度で全てを聞き出そうとせず、必要に応じて後日改めて相談する姿勢も大切です。

03自宅の環境を退院前に確認する

福祉用具専門相談員による自宅訪問

退院前に、福祉用具専門相談員に自宅を訪問してもらい、玄関、廊下、トイレ、浴室、寝室などの寸法や段差を確認してもらうことをおすすめします。入院中でも、家族が立ち会って訪問を依頼できる場合があります。

入院前と退院後で状態が変わっている場合

入院前は自力で歩けていた方が、退院時には歩行が不安定になっているなど、身体状況が変化していることも珍しくありません。入院前の情報だけで用具を決めず、退院時点の状態に合わせて選び直すことが重要です。

写真や動画で自宅の状況を伝える

訪問が難しい場合は、自宅内の写真や動画を撮影し、福祉用具専門相談員やリハビリスタッフに共有することで、必要な用具の検討材料になります。

同居家族の介助力も含めて検討する

本人の状態だけでなく、実際に介助する家族がどの程度の介助を担えるかも、用具選びの重要な判断材料です。家族介護者の負担を減らす福祉用具の記事も参考にしてください。

福祉用具専門相談員の同行が難しい場合

地域によっては、退院前の自宅訪問に福祉用具専門相談員が同行できないこともあります。その場合、ケアマネジャーが自宅の状況を確認し、写真や間取り図をもとに福祉用具専門相談員へ情報を伝える方法もあります。

退院日直前の再確認

退院日が近づいたら、準備した用具や自宅の環境に変更がないか、あらためて確認しておくと安心です。特に体調の変化があった場合は、早めに福祉用具専門相談員へ伝えましょう。

家族だけで判断せず、専門職の目も借りましょう。

04優先して準備すべき福祉用具

退院直後に必要になりやすい用具

特殊寝台(介護ベッド)、車いす、歩行器、手すりなど、退院直後の生活で特に必要性が高い用具から優先的に準備を進めましょう。

トイレ・入浴関連の用具

ポータブルトイレやシャワーチェアなど、衛生に関わる用具は、退院当日から必要になることが多いため、早めに手配しておくことが望ましいです。

一時的な利用を前提にした準備

退院直後は身体状況が不安定なことも多いため、まずは短期間のレンタルで様子を見て、状態が安定してから改めて用具を見直すという進め方も有効です。一時的に必要な福祉用具の記事もあわせてご覧ください。

優先順位に迷う場合は、リハビリスタッフや福祉用具専門相談員に、退院後の生活で最も注意すべき動作を確認しておくと判断しやすくなります。

福祉用具専門相談員との事前打ち合わせ

退院前に候補となる用具をいくつか絞り込み、福祉用具専門相談員と事前に打ち合わせておくことで、退院当日の搬入をスムーズに進めやすくなります。

購入が必要な用具は早めに見積りを取る

ポータブルトイレなど特定福祉用具販売の対象となる用具は、購入前の見積り作成に時間がかかる場合があります。退院日が決まったら、早い段階で事業所に見積りを依頼しておきましょう。

福祉用具以外に必要なものも整理する

おむつなどの消耗品や、栄養関連の物品など、福祉用具以外にも準備すべきものが多くあります。病院の看護師やソーシャルワーカーに、退院後に必要な物品全体のリストを確認しておくと準備漏れを防げます。

準備状況をリスト化しておくと、抜け漏れを防ぎやすくなります。

05退院日までのスケジュールを立てる

退院までの準備スケジュールを、退院決定・退院前カンファレンス・自宅訪問と用具の検討・搬入設置の4ステップで示した図

逆算してスケジュールを組む

退院日から逆算して、いつまでにケアプランを確定し、いつまでに用具を搬入するかのスケジュールを立てておくと、直前になって慌てることを防げます。

要介護認定が未了の場合

入院中に要介護認定の申請がまだの場合は、退院に間に合うよう早めに申請しておく必要があります。認定結果が出る前でも、暫定的にケアプランを作成し、福祉用具の利用を始められる場合があるため、ケアマネジャーに相談しましょう。

搬入・設置の日程調整

特殊寝台など大型の用具は、搬入・組み立てに一定の時間がかかります。退院当日にすぐ使える状態にしておくためには、退院日の数日前には搬入を終えておくことが望ましいです。

家族の都合も考慮したスケジュール

搬入や設置の立ち会いには、家族の時間確保も必要です。仕事の調整なども含めて、余裕を持ったスケジュールを組んでおくことをおすすめします。

用具のキャンセル・変更にも備える

退院直前に容態が変わり、準備していた用具が不要になったり、別の用具が必要になったりすることもあります。柔軟に対応してもらえる事業所を選んでおくと、急な変更にも落ち着いて対応できます。

無理のないスケジュールを心がけてください。

余裕を持って進めましょう。

06住宅改修が必要な場合の注意点

住宅改修は着工前の申請が必須

手すりの設置など住宅改修を伴う対応が必要な場合、原則として着工前に市区町村へ申請する必要があります。退院に間に合わせるためには、入院中から早めに手続きを進めることが重要です。

福祉用具で代替できないか検討する

住宅改修が退院までに間に合わない場合、置き型の手すりやスロープなど、工事を伴わない福祉用具貸与で一時的に代替できないか、福祉用具専門相談員に相談してみましょう。

退院後に落ち着いてから本格的な改修を検討する

退院直後は福祉用具でしのぎ、生活が落ち着いてから本格的な住宅改修を検討するという段階的な進め方も、無理のない選択肢の一つです。

申請から工事完了までの目安

住宅改修の申請から工事完了までは、事業者の状況にもよりますが一定の期間を要します。退院日が近い場合は特に、早い段階で施工業者との日程調整を進めることが望ましいです。

賃貸住宅の場合の追加確認

賃貸住宅で住宅改修を検討する場合、貸主の承諾が必要になることがあります。退院までに承諾が得られない可能性もあるため、早めに管理会社や貸主へ確認しておきましょう。

複数の施工業者に相談する

住宅改修の施工業者によって対応できる日程が異なるため、時間に余裕がない場合は、複数の業者に相談してみることも一つの方法です。

早めの相談が、退院までの余裕につながります。

慌てずに進めましょう。

07介護保険の対象になるかの確認方法

退院に合わせて準備する福祉用具の多くも、要介護度に応じて介護保険の給付対象になります。

確認の進め方

  1. 入院中からケアマネジャーに連絡し、退院日と自宅の状況を伝える
  2. 福祉用具専門相談員に自宅を見てもらい、必要な用具を検討する
  3. ケアプランに位置づけたうえで、退院前に貸与・購入の手続きを進める

費用の仕組み

貸与の場合は月々のレンタル料の1〜3割、購入の場合は7〜9割が払い戻される仕組みです。具体的な金額は商品や地域によって異なるため、事業所の見積りで確認してください。要支援1・2や要介護1の場合、特殊寝台や車いすなど一部の用具は原則として貸与の対象外となりますが、医師の意見等をふまえた例外給付が認められる場合もあります。該当しそうな場合は早めにケアマネジャーへ相談しましょう。

退院後の状態変化に応じた見直し

退院直後に選んだ用具が、その後の回復や状態の変化に伴って合わなくなることもあります。定期的なモニタリングを通じて、必要に応じて用具を見直していく姿勢を持っておきましょう。

退院直後の自己負担を抑える工夫

複数の用具を同時に導入すると、月々の自己負担が増えることもあります。区分支給限度額の範囲内でどこまで利用できるか、ケアマネジャーに事前にシミュレーションしてもらうと安心です。

福祉用具貸与と医療保険の給付調整

医療保険と介護保険の両方に関わる用具の場合、給付の調整が必要になることがあります。判断に迷う場合は、病院の医療ソーシャルワーカーとケアマネジャーの両方に確認しておくと安心です。

複数の制度が関わる場合は、遠慮せず専門職に整理してもらいましょう。

08まとめ——退院前の連携が、スムーズな在宅復帰につながる

退院前に準備する福祉用具のポイントを整理します。

早めの準備開始

  • 退院日が決まったら、できるだけ早くケアマネジャーに連絡する

退院前カンファレンスの活用

  • 医療スタッフと在宅側の情報共有の場を積極的に活用する

自宅環境の確認

  • 入院前と退院後の状態の違いをふまえて、福祉用具専門相談員に自宅を確認してもらう

優先順位と段階的な準備

  • 退院直後に必要な用具から優先し、必要に応じて一時的な利用から始める

退院は、本人にとっても家族にとっても大きな節目です。慌てずに準備を進められるよう、できるだけ早い段階からケアマネジャーや福祉用具専門相談員と連携を取ることをおすすめします。介護ようひんさーちでは、住所から営業エリアに対応した事業所を絞り込み、関連する福祉用具の取扱いで比較できます。

退院後の生活を安心してスタートできるよう、この記事で紹介したポイントを参考に、早めの準備を心がけてください。

一人で抱え込まず、病院と在宅、それぞれの専門職の力を借りながら、退院という新しいスタートを整えていきましょう。

この記事で紹介した準備の流れを一つの目安として、実際の状況に合わせて柔軟に進めていってください。

分からないことがあれば、遠慮なく専門職に質問しましょう。

無理せず進めましょう。

FAQ

このガイドのよくある質問

退院日が急に決まった場合でも、まずはケアマネジャーと福祉用具専門相談員にすぐ連絡することが大切です。要介護認定が未了でも、暫定的なケアプランで福祉用具の利用を始められる場合があります。搬入までに数日かかることが多いため、分かった時点で早急に相談してください。病院の退院支援担当者にも状況を伝え、連携を依頼することをおすすめします。
参加できる場合は、実際の自宅の状況を直接伝えられる貴重な機会になるため、できるだけ参加をおすすめします。ただし、仕事などで参加が難しい場合は、事前にケアマネジャーへ自宅の間取りや生活状況を詳しく伝えておくことで、参加できなくても情報共有は可能です。資料や写真を準備しておくと、より伝わりやすくなります。
入院前の情報だけで判断せず、退院時点の身体状況に合わせて用具を選び直すことが重要です。リハビリスタッフから退院時点でどの程度の動作が可能かを確認し、その情報を福祉用具専門相談員に伝えることで、現在の状態に合った用具を提案してもらえます。入院前の状態にとらわれすぎないことが大切です。焦らず現在の状態に向き合いましょう。
住宅改修は着工前の申請が必要で、退院までに間に合わないこともあります。その場合、置き型の手すりやスロープなど、工事を伴わない福祉用具貸与で一時的に代替できないか、福祉用具専門相談員に相談してみましょう。退院後に落ち着いてから本格的な改修を検討する方法も選択肢の一つです。退院後の生活を止めないための工夫を一緒に考えてもらいましょう。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

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