福祉用具のレンタル(貸与)を考えるとき、多くの方は「どの商品を選ぶか」に意識が向かいます。しかし、長く安心して使えるかどうかを左右するのは、実は借りたあとの点検・メンテナンス体制です。
まず押さえたい前提があります。貸与では、借りたあとのフォローが制度に組み込まれているということです。指定を受けた事業所の福祉用具専門相談員は、納品時の調整と使い方の説明だけでなく、利用開始後のモニタリング(使用状況の確認)を行うことになっており、その実施時期は福祉用具サービス計画に記載されます。用具の不具合への対応や、通常使用の範囲での点検・修理・交換も、貸与サービスの一部として提供されるのが一般的です。
つまり、「壊れたらどうしよう」「手入れを自分で全部やるのは不安」という心配に対しては、事業所が主役、利用者は日常の見守り役という分担が基本の答えになります。
ただし、体制の手厚さは事業所によって差があり、対応の範囲は契約内容によって決まります。だからこそ、(1)契約前に体制を確認する、(2)納品時にメンテの基本を聞く、(3)日常のセルフチェックを習慣にする、(4)異変があればすぐ連絡する——この4つを押さえておくことが大切です。この記事では、それぞれを具体的に解説します。
なお、福祉用具の重大な事故やヒヤリハットの情報は行政からも公表されており、その多くは「劣化の見逃し」や「誤った使い方」が関わっています。点検とメンテナンスは、快適さのためだけでなく、事故を防ぐための取り組みでもあります。

