福祉用具貸与とは、介護保険を使って、車いすや介護ベッド(特殊寝台)、手すりなどの福祉用具を借りて使う仕組みです。都道府県等の指定を受けた事業所からレンタルし、所得に応じて費用の1〜3割を自己負担します。
「買ったほうが早いのでは」と思われるかもしれませんが、介護保険の福祉用具は貸与が基本とされています。その理由は、要介護の状態が時間とともに変化していくものだからです。歩行の状態が変われば合う歩行器も変わり、体格や姿勢が変われば車いすの調整も必要になります。借りる仕組みであれば、そのときどきの状態に合わせて用具を交換・調整しながら使い続けられます。
もうひとつの特徴は、借りて終わりではないことです。貸与では、事業所に所属する福祉用具専門相談員が、品目や機種の選定を手伝い、納品時に体や住環境に合わせた調整を行い、利用開始後も定期的に使用状況を確認(モニタリング)します。用具そのものだけでなく、「合った用具を、合った状態で使い続けるためのフォロー」まで含めた仕組みだと考えると、貸与の価値がわかりやすくなります。
利用するには、要介護・要支援の認定を受けていること、そしてケアプラン(介護予防ケアプラン)に福祉用具貸与が位置づけられていることが前提になります。思い立ったらまず、ケアマネジャーに相談するところから始まります。
なお、腰掛便座や入浴補助用具のように直接肌に触れる品目は、貸与ではなく「特定福祉用具販売(購入)」という別の仕組みの対象です。借りるのか買うのかで手続きも費用の流れも変わるため、この記事では「借りて使う」仕組みに絞って、対象品目・費用・利用の流れ・事業所探しのポイントを順に解説していきます。

