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事業所の選び方

福祉用具貸与・特定福祉用具販売の指定を確認する方法【3つの手段】

Published
作成日: 2026年6月28日
Updated
最終更新日: 2026年7月9日

福祉用具の事業所が介護保険の指定を受けているかを確認する3つの方法を解説。貸与と販売で指定が別である点、介護サービス情報公表システムでの調べ方、問い合わせでの聞き方まで具体的に整理したガイドです。

01「指定」とは何か——介護保険を使うための前提条件

福祉用具を介護保険で借りる・買うためには、その事業所が都道府県や市などから指定を受けている必要があります。指定とは、人員配置や運営体制などの基準を満たした事業所に対して、行政が「介護保険のサービスを提供してよい」と認める仕組みです。

なぜこの確認が大切かというと、指定のない事業所から借りたり買ったりした場合、原則として保険給付の対象にならないからです。同じ商品を同じように使っても、契約する相手によって、費用の1〜3割負担で使えるか、全額自己負担になるかが分かれてしまいます。

特に注意したいのが購入の場面です。ホームセンターや通販サイトでも介護用品は売られていますが、そこで買った商品は、たとえ品目として特定福祉用具販売の対象であっても、指定事業所からの購入でなければ保険給付を受けられないのが原則です。「安く売っていたから」と先に買ってしまう前に、必ず指定の確認をはさんでください。

幸い、指定の確認はむずかしくありません。この記事では、(1)事業所に直接聞く、(2)介護サービス情報公表システムで調べる、(3)ケアマネジャーに確認してもらう、という3つの方法を順番に紹介します。どれか1つでも実行すれば確認できますが、それぞれに向いている場面があるので、使い分けも含めて解説していきます。

なお、この記事でいう「事業所」とは、実際にサービスを提供する拠点のことです。会社としては大手でも、対応してくれるのは最寄りの営業所や店舗なので、確認の対象は常に「その拠点」だと考えてください。

02大前提:貸与の指定と販売の指定は「別もの」

確認方法に入る前に、いちばん間違えやすいポイントを押さえておきましょう。介護保険の福祉用具に関わる指定には、福祉用具貸与の指定特定福祉用具販売の指定の2種類があり、これらは別々の指定です。

多くの事業所は両方の指定を受けていますが、必ずそうとは限りません。「貸与の指定はあるが販売の指定はない」という事業所で腰掛便座を購入してしまうと、保険給付の対象にならない可能性があります。逆もまた同じです。

ですから、確認するときは「指定を受けていますか?」というあいまいな聞き方ではなく、「福祉用具貸与と特定福祉用具販売、それぞれの指定を受けていますか?」と、2つを区別して確認することが大切です。

どちらの指定が必要かは、使いたい品目で決まります。車いすや特殊寝台、手すりなどを借りるなら貸与の指定、腰掛便座や入浴補助用具などを買うなら販売の指定です。2024年(令和6年)4月から始まった選択制の品目(固定用スロープ、歩行器〔歩行車を除く〕、単点杖・多点杖)を検討している場合は、貸与と販売のどちらを選んでも対応できるよう、両方の指定を受けている事業所を候補にするのが安心です。

もうひとつ、指定は事業所(拠点)単位という点も覚えておきましょう。同じ会社でも、店舗・営業所によって指定の状況が異なることがあります。確認するのは「会社」ではなく「実際に対応してくれる事業所」です。

「うちの品目はどちらの指定が必要か」がわからないときは、そのまま事業所やケアマネジャーに聞いてしまえば大丈夫です。

03確認方法1:事業所に直接聞く——いちばん早くて確実

もっとも手軽で確実なのは、候補の事業所に直接聞くことです。電話でも問い合わせフォームでも構いません。

聞き方はシンプルで大丈夫です。

  • 「福祉用具貸与と特定福祉用具販売、どちらの指定も受けていますか?」
  • 「介護保険を使って車いすを借りたいのですが、貸与の指定事業所ですか?」
  • 「ポータブルトイレの購入を考えています。特定福祉用具販売の指定はありますか?」

まっとうな事業所であれば、この質問には即答してくれます。指定を受けている事業所には事業所番号(介護保険の事業所ごとに割り振られる番号)があるので、「事業所番号を教えてもらえますか」と聞けば、あとで公的システムでの照合もできます。

この質問への反応は、事業所の対応の質を見るきっかけにもなります。指定の説明が明快で、こちらの状況(要介護度や使いたい品目)まで丁寧に聞き取ってくれる事業所は、その後の相談も安心して進めやすいものです。

電話で聞くときは、あわせて(1)自宅の住所が営業エリアに入るか、(2)検討中の品目を扱っているか、も一度に確認すると効率的です。「◯◯市在住で、要介護1の母の歩行器を検討しています。貸与の指定と、うちのエリア対応、歩行器の取扱いの3点を確認させてください」のようにまとめて聞けば、1本の電話で候補になるかどうかの判断がつきます。

なお、問い合わせで事業所番号や指定の説明を渋られたり、話をそらされたりした場合は、その事業所での契約は急がず、他の候補とも比較することをおすすめします。指定に関する質問は、まっとうな事業所にとって答えにくいものではありません。

04確認方法2:介護サービス情報公表システムで調べる

「問い合わせる前に自分で確認しておきたい」という方には、厚生労働省が運営する介護サービス情報公表システムが役立ちます。全国の介護サービス事業所の情報が公開されている公式サイトで、誰でも無料で使えます。

介護サービス情報公表システムで福祉用具事業所の指定を確認する4つの手順。サイトにアクセスし、地域を選び、サービスの種類で福祉用具貸与または特定福祉用具販売を選び、事業所詳細で指定情報と体制を確認する

使い方の流れは次のとおりです。

  1. サイトにアクセスする:「介護サービス情報公表システム」で検索するか、市区町村の介護保険窓口で案内を受けられます。
  2. 地域を選ぶ:都道府県・市区町村で絞り込みます。
  3. サービスの種類を選ぶ:「福祉用具貸与」「特定福祉用具販売」をそれぞれ選んで検索できます。ここで両方に同じ事業所が出てくれば、両方の指定を受けていると確認できます。
  4. 事業所の詳細を見る:事業所番号、所在地、営業時間、福祉用具専門相談員の人数、苦情窓口などの運営情報を確認できます。

このシステムのよいところは、指定の有無だけでなく、体制の情報まで一度に見られることです。問い合わせの前に基本情報を頭に入れておけば、相談の場では「うちの場合はどうか」という本題に時間を使えます。

なお、掲載情報は更新のタイミングによって実態と差があることもあるため、最終確認は事業所への問い合わせで行うのが確実です。

家族が遠方に住んでいる場合にも、このシステムは便利です。離れて暮らす親のために、実家のある地域の指定事業所をあらかじめ調べておき、帰省のタイミングで問い合わせや見学を進める、という使い方ができます。

05確認方法3:ケアマネジャー・地域包括支援センターに任せる

3つ目の方法は、ケアマネジャーや地域包括支援センターに確認してもらうことです。

実際のところ、ケアプランに福祉用具を位置づける過程では、ケアマネジャーが指定事業所の中から候補を挙げてくれることがほとんどです。地域の事業所の指定状況や対応の評判は、日常的に連携しているケアマネジャーがよく知っています。「この事業所は指定を受けていますか」と聞けば、すぐに確認してもらえるでしょう。

この方法が特に向いているのは、次のような場合です。

  • 自分で調べる時間や手段がない:入院中の家族の代わりに急いで進めたいときなど。
  • 候補が多すぎて絞れない:地域の実情を知る専門職の目で絞り込んでもらえます。
  • 例外給付など制度がからむ:軽度者の例外給付を検討する場合、指定の確認と同時に手続きの相談もできます。

一方で、任せきりにせず、自分でも「貸与と販売、両方の指定がありますか」と一度は確認する姿勢をおすすめします。ケアマネジャーの紹介はあくまで候補であり、最終的にどの事業所と契約するかは利用者が決められるからです。自分で調べた事業所を「ここに相談してみたい」と逆に提案することもできます。

まだケアマネジャーがいない段階なら、お住まいの地域包括支援センターが窓口です。要介護認定の相談とあわせて、地域の指定事業所の情報も教えてもらえます。

この方法を使う場合でも、確認結果は必ず自分にも共有してもらいましょう。「どの事業所が候補で、どんな指定を受けているのか」を把握しておくと、その後の見積もり比較や契約の場面で、自分の言葉で質問できるようになります。

06指定があると何が保証されるのか——体制の基準

「指定の有無で何がそんなに違うの?」という疑問にも触れておきましょう。指定は単なる行政手続きではなく、利用者を守る体制の基準とセットになっています。

指定を受けた福祉用具の事業所には、たとえば次のような基準が定められています。

  • 福祉用具専門相談員を2名以上配置する:品目・機種の選定援助、納品時の調整、使い方の説明、利用開始後のモニタリングを担う専門職です。
  • 運営の基準を守る:利用者への説明と同意、事故発生時の対応、苦情窓口の設置など、運営上のルールが課されています。
  • 貸与価格の説明:貸与では、全国平均貸与価格と自事業所の価格をあわせて説明し、機能や価格帯の異なる複数商品を提示することが求められています。

つまり、指定事業所を選ぶということは、「専門職による選定と継続的なフォローが受けられる」「価格や説明の透明性が制度で担保されている」体制を選ぶということです。保険給付が受けられるかどうかだけでなく、サービスの質の土台として意味があります。

なお、指定は一度受けたら永続するものではなく、有効期間があり更新制がとられています。行政処分などで指定の効力が停止・取り消しになることもあります。長く付き合っている事業所でも、大きな契約の節目では最新の状況を確認しておくと万全です。

こうした基準は、行政による運営指導(実地の確認)の対象にもなっています。制度の枠組みに支えられた事業所を選ぶことが、長く安心して使い続けるための第一歩です。

07つまずきやすい注意点——保険外サービスとの区別

指定の確認まわりで、つまずきやすいポイントをまとめます。

(1)「介護用品店」がすべて指定事業所とは限らない:介護用品を扱う店舗や通販はたくさんありますが、介護保険の指定を受けているかどうかは別問題です。店頭に「介護保険対応」などの表示があっても、貸与・販売どちらの指定かまで確認しましょう。

(2)保険外(自費)サービスと混在していることがある:指定事業所でも、保険給付の対象にならない商品や、全額自己負担の保険外レンタルをあわせて提供している場合があります。見積もりの際に「これは介護保険の対象ですか、自費ですか」を商品ごとに確認すると、請求書を見て驚くことがなくなります。

(3)品目として対象でも商品が対象外のことがある:指定事業所であっても、扱っている商品すべてが保険対象とは限りません。「この商品は保険給付の対象ですか」と商品単位で確認するのが確実です。

(4)指定は地域の行政単位で受けている:都道府県や市などから指定を受けるため、事業所の情報を照合するときは、事業所番号と所在地をセットで確認するとずれがありません。

どの注意点も、「契約・購入の前にひと言確認する」ことで回避できます。確認をいやがる事業所はまずありませんし、丁寧に答えてくれるかどうか自体が、事業所選びの判断材料になります。

迷ったら「介護保険を使った場合と使わない場合、それぞれの支払いを教えてください」と両方の提示を求めるのも有効です。

08指定を確認できたら——次のステップ

指定の確認は、事業所選びの入口の関門です。ここを通過した事業所について、次のステップに進みましょう。

ステップ1:残りの前提条件を確認する。指定に加えて、自宅が営業エリアに入っているか、使いたい品目を取り扱っているか。この3点がそろって、はじめて相談先の候補になります。

ステップ2:相談の質を見る。候補の事業所に実際に相談し、困りごとを丁寧に聞き取ってくれるか、複数の商品を根拠とともに提案してくれるか、納品後のフォロー体制はどうかを確かめます。

ステップ3:ケアマネジャーと共有する。「この事業所に相談したい」と伝えれば、ケアプランへの位置づけと合わせて調整してもらえます。

介護ようひんさーちでは、貸与・販売それぞれの指定の有無を条件に、住所や取扱い品目と組み合わせて事業所を検索できます。指定の見分け方がわかったら、お住まいの地域の指定事業所を実際に探してみてください。

最後にもう一度だけ繰り返します。福祉用具の契約・購入は、指定の確認が先、支払いは後です。この順番さえ守れば、「保険が使えなかった」という後悔は防げます。確認は電話1本、質問1つで済みます。遠慮なく聞いてみてください。

なお、確認した内容(事業所名・事業所番号・確認日・回答内容)を簡単にメモしておくと、ケアマネジャーとの共有や、複数候補の比較のときに役立ちます。

FAQ

このガイドのよくある質問

厚生労働省が運営する介護サービス情報公表システムで、誰でも無料で調べられます。地域とサービスの種類(福祉用具貸与・特定福祉用具販売)で検索すると、指定事業所の一覧と、事業所番号・営業時間・福祉用具専門相談員の人数などの詳細情報を確認できます。掲載情報と実態に差がある場合もあるため、最終確認は事業所への問い合わせがおすすめです。
なりません。福祉用具貸与の指定と特定福祉用具販売の指定は別々の指定で、それぞれ受けている必要があります。レンタルは貸与の指定事業所から、購入は販売の指定事業所から利用した場合に保険給付の対象になります。両方の指定を受けている事業所も多いので、「どちらの指定も受けていますか」と区別して確認しましょう。
注意が必要です。保険給付の対象になるのは、指定を受けた事業所から借りる・買う場合が原則で、一般の通販での購入は対象にならないことがあります。また、指定事業所でも商品によって保険対象外のものがあります。購入前に「この商品を、介護保険を使って購入できますか」と販売元に確認し、あわせてケアマネジャーにも相談することをおすすめします。
指定は体制の最低基準を満たしていることの証明であり、サービスの質が同じという意味ではありません。福祉用具専門相談員の提案力、納品後のフォロー体制、価格の透明性、衛生管理への取り組みは事業所によって差があります。指定の確認は入口の関門と考えて、そのうえで複数の事業所を比較して、納得できるところを選ぶのがおすすめです。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

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