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介護保険で使える福祉用具の対象品目一覧【貸与13種目・販売6種目・選択制】

Published
作成日: 2026年6月28日
Updated
最終更新日: 2026年7月9日

介護保険で使える福祉用具の対象品目を一覧で整理。貸与13種目、販売6種目、2024年からの選択制品目に加え、要介護度による制限や商品単位の確認方法、品目から事業所を探す手順までまとめたガイドです。

01福祉用具の対象品目は「貸与13種目・販売6種目・選択制」で整理できる

介護保険で使える福祉用具は、大きく3つの区分に整理できます。借りて使う福祉用具貸与(13種目)、買って使う特定福祉用具販売(6種目)、そして2024年(令和6年)4月から始まった、借りるか買うかを利用者が選べる選択制(4品目)です。

介護保険の福祉用具対象品目の全体像。貸与13種目、選択制4品目、販売6種目を一覧に整理した区分図

どの品目がどの区分に入るかは制度で決まっており、利用者の好みで自由に変えることはできません。そのため「使いたい用具が決まっている」方は、まずその品目がどの区分に当たるかを確認することが出発点になります。区分がわかれば、費用の流れ(貸与なら月々の支払い、販売なら償還払い)や、相談の進め方も見えてきます。

この一覧を見るうえでの注意点が2つあります。1つは、要介護度によって原則対象外になる品目があること。もう1つは、種目としては対象でも、個々の商品が保険給付の対象になるかは商品ごとに決まっていることです。それぞれ後の節で詳しく説明します。

なお、品目の一覧は厚生労働省の告示で定められており、制度改定のたびに見直されることがあります。この記事は2024年度改定時点の整理です。最新の内容は、厚生労働省や市区町村の公式情報、またはケアマネジャーへの確認をおすすめします。

この記事は「一覧を眺めて終わり」にせず、ご家族と共有して「うちの場合はどれが関係しそうか」に印をつけながら読むのがおすすめです。関係しそうな品目が2〜3個に絞れるだけでも、ケアマネジャーへの相談が格段に進めやすくなります。

02福祉用具貸与の13種目一覧

借りて使う福祉用具貸与の対象は、次の13種目です。

  1. 車いす(自走式・介助式・電動など)
  2. 車いす付属品(クッション、電動補助装置など)
  3. 特殊寝台(いわゆる介護ベッド。背上げ・高さ調整などの機能をもつもの)
  4. 特殊寝台付属品(サイドレール、マットレス、ベッド用手すりなど)
  5. 床ずれ防止用具(体圧分散のためのエアマットレスなど)
  6. 体位変換器(寝返りを助ける用具)
  7. 手すり(工事をともなわない置き型・突っ張り型など)
  8. スロープ(工事をともなわない段差解消用)
  9. 歩行器(固定式・交互式・車輪付きの歩行車を含む)
  10. 歩行補助つえ(多点杖、ロフストランドクラッチなど)
  11. 認知症老人徘徊感知機器(外出を知らせるセンサーなど)
  12. 移動用リフト(つり具の部分を除く)
  13. 自動排泄処理装置(交換可能部品を除く)

ポイントは、本体と「付属品」が別種目になっていることです。たとえば介護ベッドを借りるとき、マットレスやサイドレールは特殊寝台付属品として組み合わせて借りる形になります。また、住宅改修で取り付ける手すりとは別に、工事不要の置き型手すりが貸与の対象になっている点も、よく質問されるところです。

なお、車輪付きの「歩行車」は貸与では歩行器の一種として扱われますが、2024年からの選択制(購入できる仕組み)の対象には含まれていません。同じ種目の中でもタイプによって扱いが分かれる例として覚えておくと、後の説明が理解しやすくなります。

03特定福祉用具販売の6種目一覧

買って使う特定福祉用具販売の対象は、次の6種目です。直接肌に触れるなど、他の人が使ったものの再利用になじまない品目が選ばれています。

  1. 腰掛便座(ポータブルトイレ、和式便器の上に置く据置式便座、補高便座など)
  2. 自動排泄処理装置の交換可能部品(レシーバー、チューブなど肌に触れる部分)
  3. 排泄予測支援機器(膀胱内の状態を感知し、排尿のタイミングを知らせる機器)
  4. 入浴補助用具(入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴用介助ベルト)
  5. 簡易浴槽(工事をともなわずに設置できる移動可能な浴槽)
  6. 移動用リフトのつり具の部分(本体は貸与、体に触れるつり具は販売)

注目したいのは、移動用リフトの扱いです。リフト本体は貸与の対象ですが、体を包み込むつり具(スリングシート)は肌に触れるため販売の対象と、1つの用具の中で区分が分かれています。同様に、自動排泄処理装置も本体は貸与、交換可能部品は販売です。

販売品目の購入で保険給付を受けるには、指定を受けた事業所からの購入であること、同一年度内の上限(購入費支給限度基準額)の範囲内であることが条件になります。費用はいったん全額を支払ってから給付分が戻る償還払いが基本です。

販売品目を選ぶときの視点としては、体格や浴室・トイレの寸法との相性が特に重要です。購入後の交換が難しいからこそ、「設置したい場所の幅・高さを測ってから相談する」「可能なら実物を試す」という一手間が、買い直しの失敗を防いでくれます。

04選択制の対象品目(2024年4月〜)

2024年(令和6年)4月からは、次の4品目について、貸与と販売のどちらを利用するかを選べる選択制が導入されました。

  • 固定用スロープ(玄関の上がりかまちなど、頻繁に持ち運ぶ必要のない場所に固定的に設置するもの)
  • 歩行器(脚部がすべて杖先ゴムなどの固定式・交互式のもの。車輪・キャスター付きの歩行車は対象外
  • 単点杖(カナディアンクラッチ、ロフストランドクラッチなど。松葉づえは対象外
  • 多点杖(接地部分が複数に分かれた杖)

これらは比較的安価で、状態が安定していれば長く使い続けやすい品目です。「短期間だけ使うなら貸与、長く使い続けるなら購入」という判断がしやすいように、利用者が選べる仕組みになりました。

選択にあたっては、福祉用具専門相談員やケアマネジャーから、貸与・販売それぞれのメリットとデメリットについて説明を受けることになっています。判断に迷ったら、「どのくらいの期間使う見込みか」「状態が変わる可能性はあるか」「購入後の修理・調整はどうなるか」の3点を質問してみてください。

名称の紛らわしさには特に注意が必要です。同じ「歩行器」という名前でも、車輪の有無で選択制の対象かどうかが変わります。また「杖」も、松葉づえは選択制から除かれています。カタログの名称だけで判断せず、「この商品は選択制の対象ですか」と商品単位で事業所に確認しましょう。

05要介護度によって原則対象外になる品目がある

品目一覧を見て「これが必要」と思っても、要介護度によっては原則として保険給付の対象外になる場合があります。

要支援1・2および要介護1の方は、次の品目が原則対象外です:車いす、車いす付属品、特殊寝台、特殊寝台付属品、床ずれ防止用具、体位変換器、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフト。また、自動排泄処理装置(尿のみを吸引するものを除く)は要介護3以下の方が原則対象外とされています。

これは「比較的軽度の方には、これらの品目の必要性が一般的に低い」という制度上の整理ですが、例外給付の仕組みがあります。病状により状態が変動しやすい場合や、医師の意見をふまえて必要性が認められる場合など、一定の条件のもとで軽度者でも給付が認められることがあります。手続きや判断基準の詳細は市区町村によって異なります。

実際の相談では、「要介護1だからベッドはあきらめる」と自己判断で終わらせないことが大切です。ケアマネジャーに「例外給付の可能性はありますか」と確認し、難しい場合も、全額自己負担のレンタルなど保険外の選択肢を並べたうえで比較しましょう。

一方、手すり・スロープ・歩行器・歩行補助つえは要支援の方でも借りられる品目です。転倒予防の効果が期待される場面では、早い段階から検討する価値があります(効果の感じ方には個人差があるため、合う・合わないは専門相談員と確認してください)。

なお、ここでいう要介護度は認定調査の結果によって変わることがあります。状態が変わって再認定を受けた場合は、使える品目の範囲も変わる可能性があるため、認定更新のタイミングでケアマネジャーと用具の見直しをするのがおすすめです。

06「対象品目」でも商品単位で対象外がある——確認の仕方

品目の一覧と同じくらい大切なのが、種目として対象でも、個々の商品が保険給付の対象になるかは商品ごとに決まっているという点です。

たとえば「歩行器」という種目は貸与の対象ですが、一般の通販サイトで「歩行器」として売られている商品が、介護保険の貸与対象商品に該当するとは限りません。制度の対象になる商品は、構造や機能の要件を満たしている必要があります。

商品が対象かどうかを確認する方法としては、次の3つが実用的です。

(1)事業所に聞く:もっとも確実です。「この商品は介護保険の貸与(販売)対象ですか」と商品単位で確認します。

(2)TAIS(福祉用具情報システム)で調べる:テクノエイド協会が運営する公的なデータベースで、福祉用具の商品情報を検索できます。商品にはTAISコードという番号が付いており、見積書や商品説明で目にすることがあります。

(3)ケアマネジャーに相談する:品目レベルの判断も含めて、全体の計画と合わせて確認してもらえます。

気になる商品がある場合は、商品名・型番をメモして「これと同等の機能で、保険対象の商品はありますか」と聞くのがおすすめです。対象商品の中から、機能や価格帯の異なる複数の候補を提示してもらえるので、比較したうえで選べます。

見積書にTAISコードが記載されていたら、そのコードでTAISを検索すると、商品の仕様を自分でも確認できます。「提案された商品がどんなものか、家族にも説明したい」というときに役立つ方法です。

07品目から探すのではなく「困りごと」から探すという考え方

ここまで品目の一覧を紹介してきましたが、実際の用具選びでは、品目名から入るより困りごとから入るほうがうまくいくことが多い、という点をお伝えしたいと思います。

たとえば「夜中にトイレへ行くのが不安」という困りごとには、ポータブルトイレ(腰掛便座)だけでなく、ベッドから立ち上がるための手すり、寝室から廊下への移動を支える歩行器、といった複数のアプローチがあります。品目を決め打ちして探すと、こうした選択肢が視野から外れてしまいます。

福祉用具専門相談員やケアマネジャーへの相談では、次のような伝え方が効果的です。

  • 「浴槽をまたぐときにふらつく」(→入浴補助用具、手すりなど)
  • 「ベッドから起き上がるのに時間がかかる」(→特殊寝台、ベッド用手すりなど)
  • 「玄関の段差で転びそうになった」(→スロープ、手すり、歩行補助つえなど)

このように動作や場面で伝えると、専門職は品目の組み合わせまで含めて提案できます。そのうえで、提案された品目がどの区分(貸与・販売・選択制)に当たるかをこの記事の一覧で確認すると、費用や手続きの見通しが立てやすくなります。

なお、段差の解消や手すりの設置は、福祉用具ではなく住宅改修(工事をともなうもの)の領域になる場合もあります。どちらが合うかも含めて、専門職に相談してみてください。

相談前の準備としては、「いつ・どこで・どの動作に困ったか」を2〜3件メモしておくと効果的です。実際の場面が伝わるほど、提案の精度は上がります。

08品目が決まったら——事業所探しと相談の進め方

使いたい品目(または困りごと)が整理できたら、相談先の事業所を探します。手順は次の3ステップです。

ステップ1:指定の種類を確認する。貸与品目なら「福祉用具貸与」、販売品目なら「特定福祉用具販売」の指定を受けた事業所が対象です。両方の指定を受けている事業所も多くあります。選択制の品目を検討中なら、両方の指定がある事業所だと、貸与・販売どちらを選んでも同じ事業所で相談を続けられます。

ステップ2:営業エリアを確認する。福祉用具は納品・調整・点検で自宅への訪問が発生するため、自宅の住所が事業所の営業エリアに入っているかが重要です。

ステップ3:取扱い品目を確認する。事業所によって、得意な品目や取扱いの幅が異なります。検討中の品目を扱っているか、問い合わせ時に確認しましょう。

問い合わせの際は、「要介護◯です。△△(品目または困りごと)について相談したいのですが、うちの住所は営業エリアに入っていますか」のように、要介護度・品目・住所の3点を伝えると話が早く進みます。

介護ようひんさーちでは、住所・取扱い品目・貸与/販売の指定の有無を組み合わせて事業所を検索できます。品目の一覧で「自分に必要なもの」の見当がついたら、次はお住まいの地域で相談できる事業所を探してみてください。

FAQ

このガイドのよくある質問

借りて使う福祉用具貸与が13種目、買って使う特定福祉用具販売が6種目です。さらに2024年4月からは、固定用スロープ・歩行器(歩行車を除く)・単点杖(松葉づえを除く)・多点杖の4品目が、貸与と販売を選べる選択制の対象になりました。種目の一覧は厚生労働省の告示で定められており、制度改定で見直されることがあります。
マットレスやサイドレールは「特殊寝台付属品」という独立した種目になっており、特殊寝台本体と組み合わせて借りるのが基本的な使い方です。付属品単独での貸与が可能かどうかはケースによるため、事業所やケアマネジャーに確認してください。なお、特殊寝台・特殊寝台付属品は要支援1・2および要介護1の方は原則対象外で、例外給付の仕組みがあります。
ポータブルトイレ(腰掛便座)は、直接肌に触れる品目のため貸与(レンタル)の対象ではなく、特定福祉用具販売の対象です。指定を受けた事業所から購入した場合に、同一年度内の上限の範囲で保険給付を受けられます。購入前に実物を確認できる事業所もあるため、「購入前に試せますか」と聞いてみるとよいでしょう。設置場所の寸法を測ってから相談すると失敗が減ります。
対象にならないことがあります。保険給付の対象は、制度の要件を満たす商品を、指定を受けた事業所から借りる・買う場合に限られます。一般の通販などで購入した場合は原則対象外です。また、選択制で購入できる歩行器は車輪のない固定式・交互式のタイプに限られ、車輪付きの歩行車は貸与のみです。商品単位で対象かどうかを事業所に確認してください。
品目名ではなく、困っている動作や場面から伝えるのがおすすめです。「浴槽をまたぐのが不安」「夜中のトイレが心配」のように伝えると、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員が、複数の品目の組み合わせも含めて提案してくれます。そのうえで、提案された品目が貸与・販売・選択制のどれに当たるかを確認すると、費用や手続きの見通しが立てやすくなります。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

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