特定福祉用具販売とは、介護保険を使って福祉用具を購入し、費用の一部が保険から支給される仕組みです。介護保険の福祉用具は「借りて使う」貸与が基本ですが、直接肌に触れるものなど、他の人が使ったものの再利用になじまない品目に限って、購入が保険給付の対象とされています。
対象となるのは、腰掛便座や入浴補助用具といった、トイレ・お風呂まわりの用具が中心です。「ポータブルトイレが必要になった」「浴槽をまたぐのが怖くなってきた」という場面で検討されることが多い仕組みです。
貸与と大きく違うのは、お金の流れです。貸与が月々の支払いなのに対し、販売は購入時にいったん全額を支払い、あとから保険給付分が払い戻される償還払いが基本です。また、支給には同一年度内の上限(購入費支給限度基準額)が定められています。
そしてもうひとつ、必ず知っておきたい前提があります。どこで買ってもよいわけではないということです。保険給付の対象になるのは、都道府県等から特定福祉用具販売の指定を受けた事業所から購入した場合に限られます。一般の通販やホームセンターで同じような商品を買っても、原則として保険の対象にはなりません。この記事では、対象品目、費用の仕組み、購入までの流れ、注意点の順に整理していきます。
なお、車いすや介護ベッド、手すりなどは貸与(レンタル)の対象品目なので、この仕組みでは購入できません。「借りるもの」と「買うもの」の全体像から確認したい方は、まず貸与と販売の違いを整理してから読み進めると理解しやすくなります。

