標準的な車いすは、ある程度自分で座位(座った姿勢)を保てることを前提に作られています。しかし、体幹(体の軸となる部分)の力が弱くなったり、長時間の座位で疲れやすくなったりすると、標準型では体が傾く、ずり落ちる、といった問題が出てきます。
こうした場面で検討されるのが、リクライニング車いすとティルト車いすです。どちらも「姿勢を変えられる」車いすですが、仕組みが異なります。
- リクライニング型:背もたれの角度だけが後ろに倒れるタイプ。座面と背もたれの角度(座面角)が変わります。
- ティルト型:座面と背もたれの角度関係を保ったまま、いす全体が傾くタイプ。体が座面からずり落ちにくいのが特徴です。
両方の機能を備えた「リクライニング+ティルト」型もあります。
これらは福祉用具貸与の対象品目(車いす)に含まれており、レンタルで利用できます。ただし、標準型に比べて操作や適合の判断がより専門的になるため、福祉用具専門相談員によるアセスメントと、可能であればリハビリ職(理学療法士・作業療法士)の評価を経て選ぶことが強く推奨される品目です。この記事では、必要になる場面、リクライニングとティルトの使い分け、選定の確認ポイントを解説します。
なお、この記事は「リクライニング・ティルト車いすとは何か」を知るための入り口です。実際の選定や適合の判断は、必ず専門職のアセスメントを経て行ってください。
この品目は「体を支えるための道具」であると同時に、「専門職チームとの継続的な関わりが前提になる道具」でもあります。

