車いすを使い始めるとき、座面の硬さが気になって、家にある座布団を敷く方は少なくありません。しかし、車いすクッションは「座り心地をよくする座布団」とは、目的も作りもまったく別のものです。
車いすクッションの主な役割は、体圧を分散させ、お尻や骨が突き出た部分(座骨、尾骨など)への圧力の集中を防ぐことです。座っている時間が長くなるほど、同じ部分に体重がかかり続け、血流が悪くなって皮膚や組織にダメージが及ぶことがあります。これが進むと床ずれ(褥瘡)につながる可能性があります。一般的な座布団は、この圧力分散のための設計がされていません。
介護保険では、車いすクッションは「車いす付属品」という独立した種目に位置づけられており、車いす本体と同じく貸与(レンタル)の対象です。つまり、車いすを借りるとき、クッションも合わせて検討できる仕組みが最初から用意されています。
この記事では、(1)クッションが本当に必要かどうかの見きわめ方、(2)主な種類と特徴、(3)借りるときの手順と確認ポイントを順番に解説します。「なんとなく硬そうだから」ではなく、必要性を正しく判断したうえで選ぶための材料にしてください。
この記事を読んでいるということは、すでに「もしかしてクッションが必要かも」という違和感に気づいている段階かもしれません。その直感は大切にしてください。
家族としてできることは、その直感を専門職に伝えることです。専門的な判断は、そこから始まります。

